OVERVIEW
センター概要
概要
宇宙研究利用推進センターは、本格的な宇宙探査、持続可能な宇宙利用の時代に対応するために2023年4月に工学部附属センターとして発足しました。本センターでは、銀河研究を中心とする宇宙科学に関する研究、微小重力下での燃焼現象の解明や太陽光発電所から地球へのエネルギー伝送等の宇宙環境利用に向けた研究、超音速宇宙推進システム・電気推進ロケット・宇宙ロボット等の宇宙システムに関する研究開発に加え、岐阜県と実施する高大連携教育である「宇宙工学講座」やキューブサットプログラム「ぎふハイスクールサット(GHS)」を中心とした宇宙啓発活動、産官学連携による宇宙ビジネスの創出を進めています。
センター長挨拶
衛星のコンステレーション化、持続可能な月開発利用プロジェクトが開始される等、近年では宇宙は経済・社会活動に大きく影響を及ぼす存在となってきており、2040年には宇宙市場は1兆ドルを超えるという予測もでてきています。これらの社会情勢を踏まえて、アジアNo.1航空宇宙産業形成特区を構成する岐阜県では2021年11月に宇宙産業育成を目的に岐阜県と岐阜大学が中心となって運営する「ぎふ宇宙プロジェクト研究会(座長:吉田和弘学長)」が立ち上がりました。
宇宙産業は、ロケットや衛星本体だけでなく衛星データの利用等多岐にわたっており、これらの急速な利用の拡大に対応するには、産業自体の育成だけなく「宇宙技術人材の育成」が重要となってきます。岐阜大学は、これまでに工学部の宇宙科学や宇宙工学研究に関わる教員を中心に、リモートで宇宙工学を学ぶ「宇宙工学講座」や「缶サット演習プログラム」という高大連携教育を実施してきました。これらの基盤宇宙教育プログラムは岐阜大学が主に担当する「ぎふ宇宙プロジェクト研究会」の高度宇宙技術人材育成事業として引き継がれ、また、高校生が製作したキューブサットを国際宇宙ステーション(ISS)から放出・運用する「ぎふハイスクールサット(GHS)」プロジェクト等の実践宇宙教育プログラムが開始されるなど、さらに充実した内容になってきています。
工学部附属宇宙研究利用推進センターは、これらの岐阜大学による高大連携教育を中心とした宇宙人材育成事業の企画・運営を総括し、宇宙科学・工学に関する最先端研究教育、また関係企業の皆様、関係機関の方々との連携を有機的に構築するための組織として、2023年4月に発足しました。
本センターには、11mの電波望遠鏡を用いた銀河研究等の宇宙科学、宇宙輸送用超音速燃焼エンジン、電気推進ロケット、宇宙ロボット研究開発等の宇宙工学、宇宙空間微小重力下での燃焼現象研究等の宇宙環境、宇宙太陽光発電におけるエネルギー伝送研究開発等の宇宙利用、と地球低軌道から銀河に至る幅広い領域・分野をカバーする宇宙科学・宇宙工学研究者がメンバーとして参加しています。
本センターでは、岐阜大学における宇宙科学・宇宙工学に関する教育プログラムや研究環境の提供はもちろんのこと、将来宇宙に関する仕事がしてみたいと考えている小中高生の皆さんへの宇宙教育の実施、関係企業・機関の方々との宇宙プロジェクト連携のハブとしての機能を通じて本格的な宇宙時代の構築に貢献していきたいと考えています。皆さまの一層のご協力と、積極的なご参加をお願いいたします。
岐阜大学工学部附属宇宙研究利用推進センター
センター長 宮坂 武志