宇宙火災 ─重力の異なる環境での火災安全基準とは─
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副センター長機械工学科 機械コース
教授高橋 周平
現在、国際宇宙ステーション(ISS)では、長期間にわたって宇宙飛行士が滞在し様々な実験を行っています。また、アルテミス計画では月面に居住区域を建設し、クルーが長期間滞在することが計画されています。このような地球とは重力レベルが異なる環境(軌道上では0G,月面では1/6G)において、固体材料がどのように燃えるのかを調べて、長期有人宇宙活動における火災安全性を担保する研究を行っています。写真はISSの固体燃焼実験装置(SCEM)で行われたろ紙の燃焼実験の結果です。右端から着火していますが、火炎が途中から丸くなりくねくねと蛇行して燃え広がる微小重力環境に特有な現象が観察されています、どのような条件で火災が拡がっていくのかが分かれば、火災安全の方針を立てることができます。

Image of flame spreading over a filter paper in a moderate opposed flow within SCEM on the ISS/Kibo. The blue leading edge and the orange flame body are distinctly captured.

A trace of the pyrolysis zone captured by an infrared camera at the near-flammability limit. The experiment reveals an initial linear flame spread which subsequently transitions to a swinging spread, taking a rounded shape.
